FX投資を行う上で、利益を出したら税金はどうなるのか気になる人も多いはずです。
株やFXといった投資をやっている人であれば既にご存じかと思いますが、FXって僕らが普段よく見る「総合課税」ではなく「分離課税」というものが適用されるんですね。
分離課税と言うのは、
- 所得税:15%
- 住民税:5%
- 特別復興税:0.315%(2037年12月31日まで)
計:20.315%の税率(一律)
総合課税と言うのは、累進方式で収入が多くなれば税率も上がってきて、所得が4,000万円以上になると55%(所得税+住民税)もの税率が課せられます。
※控除額は無視しています。
でも、分離課税は一律で約20%の税率です。
あまり税金に詳しくない人でも、パッと見ただけで投資の税金はメチャクチャ稼げば稼ぐほど得だと言うことが分かるかと思います。
例えば、1億円稼いだとして、、、
総合課税だと55%の税率なので、手元に残る金額は4,500万円。
分離課税だと約20%の税率なので、手元には約8,000万円となり、同じ収益だとしても税金の種類が違うだけでこんなにも手元に残る金額が違ってくるんですね。
額が大きくなればなるほど、手元に残る金額の差もどんどん開いてきますよね!
なので、「投資は税金が安い!」という認識を持っている人も多いかもしれませんが、実は分離課税が適用されるのは「国内の口座」だけで、海外口座を使用する場合は税率の違いに注意しなくてはなりません。
【FX】海外口座の税率は国内の法律に従う
まず、結構な人が勘違いしている部分でもあるんですけど、海外って投資の税金は「無税(0%)」のところが多くあったりするんですね。
凄いですよね、、、儲け分がそっくりそのまま100%手元に残るという事ですから。(日本ではあり得ない・・・)
なので、海外で口座を開設すれば、そのFX会社が本拠地を置く国の税率に従えばいいと思っている方もいるようですが、これは違います。
実際は、海外のFX口座だったとしても日本にいる限りは日本国内の法律に従って確定申告する必要があります。
逆に海外移住すれば、移住先の国の法律に従って支払うことになるので、税金は圧倒的に安くなる場合がほとんどです。
とはいっても、「税金が安いから海外移住しよう!」って軽いノリで出来るものでは無いですよね(汗
ちなみに、税金の安い国で有名なのが、
- シンガポール
- マレーシア
- タイ
- 香港
などなど、上記以外にも多々ありますが、これらの国では税金を安くすることで世界中の富裕層や企業を呼び込み、収益を確保して経済を回す狙いがあるんですね。
なので、海外移住できるという方は無税(0%)の国へ移住してしまうのが理想かもしれませんが、日本国内にいる限り、海外の口座を開設しても日本国内の法律が適用されると言うことは覚えておきましょう!
海外口座の税金は「総合課税」
海外口座でも日本国内にいる限り、日本の法律が適用されるのは分かった。。。
じゃあ、「分離課税」で一律20%の税率が課せられるのね!って思うかもしれませんが、これまた違うんですね(汗
実は、海外口座の場合は分離課税ではなく「総合課税」として確定申告する必要があります。
総合課税というのは、サラリーマンの給与所得も含まれます。
なので、海外口座でで利益を出した場合は、他の収入と合算して確定申告をすると言うことになります。
例えば、年収が600万円のサラリーマンで、片手間でFXをやっていて年間200万円の利益を上げたとすると、給与所得600万円とFXの利益200万円を合算した800万円で確定申告をするといった感じですね。
課税対象の所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円 ~ 1,949,000円 | 5% | 0円 |
1,950,000円 ~ 3,299,000円 | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 ~ 6,949,000円 | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 ~ 8,999,000円 | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 ~ 17,999,000円 | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 ~ 39,999,000円 | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円~ | 45% | 4,796,000円 |
+
住民税 | 一律10% |
ちなみに、上記が総合課税の税額です。
収入が上がってくるたびに税率もどんどん上がってくるのが見て分かるかと思います
なので、会社で給料が上がったり、FX(海外口座)で儲け額が上がると、それに釣られるように税率も高くなってきます。
そして最高税率は怒涛の55%(所得税45%+住民税10%)…
このレベルまで来ると、分離課税の税率がどれだけ優遇されているかが分かりますよね。
ちなみに、なんで海外口座は総合課税になっているのか疑問ですよね!?
恐らく、これは金融庁に認められていないのが最大の理由だと言えます。
日本でも昔は、FXが総合課税(一部、分離課税もあった)だったんですが、レバレッジが25倍に規制されたりして立派な金融商品として認められたことで、今ではFX全てが分離課税の対象となっています。
でも、海外FXの口座を調べて頂ければ分かると思いますが、レバレッジは昔の日本のような数百倍(888倍とかあります)とか、日本で規制される前の状態と言えるんですね。
それを同じ金融商品として認めることは出来ないので、今でも総合課税の扱いになっているのだと思います。
また、海外に資金が流れるのを防ぐという目的もあるのかも知れません。
100%海外口座の税金が高くなるわけでは無い
FXを行うにあたって、海外口座を選ぶ魅力というのは、今はもう日本では出来ない超高レバレッジの取引が出来るという点も大きいはずです。
実際に海外口座の税率は優遇されていないにも関わらず、高い人気を誇っているのも事実です。
そして、収入(利益)によっては分離課税よりも総合課税の方がお得な場合もあるので、絶対に分離課税がお得って訳では無いんですね!
課税対象の所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円 ~ 1,949,000円 | 5% | 0円 |
1,950,000円 ~ 3,299,000円 | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 ~ 6,949,000円 | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 ~ 8,999,000円 | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 ~ 17,999,000円 | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 ~ 39,999,000円 | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円~ | 45% | 4,796,000円 |
+
住民税 | 一律10% |
上記は総合課税の税率ですが、収入が低い場合は当たり前ですが税率も低いですよね。
総合課税は複雑で分かりにくいかもしれませんが、420万円くらいまでなら総合課税の方が得となります。
【総合課税の場合】
利益4,200,000円 × 0.20(20%) – 427,500円(控除額) = 412,500円(所得税)
これに、住民税が420万の10%なので、42万をプラスして「832,500円」の税金となります。
※所得税の計算方法:国税局のページをご参照ください。
【分離課税に場合】
利益4,200,000円に対し、一律20.315%なので、853,230円となります。
このように税率だけで言うと、FXの利益が420万円以下であれば海外口座の方がお得になり、それ以上だと国内口座がお得と言うことになります。
なので、年間の収入(利益)が420万円以下の見通しであれば海外口座を使用し、420万円を軽く超えてくるようであれば国内口座を使うといった利用法も良いかもしれないですね!
何れにしても、FXの国内口座と海外口座では税率が異なるので、その点には注意しましょう!
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