この記事では、画像処理ソフトの「Photoshop(フォトショップ)」を使って画像の一部だけを切り抜く方法を紹介していきます。
…例えばですが、以下の画像をご覧ください。
「この黒猫の部分だけを切り抜いて、背景を全て消したい(透明にしたい)」
…と言った感じで、人や動物・モノなど画像から対象のモノだけを切り抜いて、その切り抜いた部分(画像)だけを使いたいという場面は良く出てくると思います。
対象だけを綺麗に切り抜くことが出来れば、↑こんな感じで合成画像などを作ったりと…
とにかく、加工(編集)の幅が格段に広がって色んな画像が作れるようになります。
なので、画像を多く取り扱う場合は「絶対に習得しなくてはいけない加工技術」と言っても良いでしょう。
「Photoshop」には、画像を切り抜く方法が多く用意されていて、やり方も人それぞれです。
ただ、そんな中でも「これは使える(便利)!」と思う切り抜き方を以下で詳しく説明していきますね。
もくじ
画像を切り抜く際に必要なこと
「Photoshop」はかなり多くの機能を有し、一言で「画像を切り抜く」といっても方法は何通りも存在します。
とはいっても、どんな機能を用いたとしても画像を切り抜く際に必要なのは以下の点となります。
この画像の黒猫と背景の「境目」、、、つまり黒猫をグルッと囲うように選択状態になっているのがわかるかと思います。
この状態にすれば、後は黒猫の部分をコピーするか黒猫以外の背景を消すことで黒猫の部分だけを切り抜くことが出来るという訳です。
つまり、切り抜きを行うにあたって如何に綺麗に対象を囲うことが出来るかというのが重要なポイントになります。
▸ 画像によって簡単~難しいがあります。
この点を踏まえて、お勧めの切り抜き方法を紹介していきますね!
簡単な画像を切り抜くときに使用するツール
まずは簡単な画像を切り抜くときにお勧めなツールから紹介していこうと思います。
ちなみに、ここでいう簡単な画像というのは以下のようなものを指します。
↑このイラストのように、背景の色が単調で対象の輪郭がクッキリしている場合は、比較的容易に切り抜きが出来ることがほとんどです。
※イラストでは無く、写真の場合も同じように背景が単調の場合は容易に切り抜きが出来ます。
こういった場合のお勧めのツールは、
▸「自動切り抜きツール」
上記のツールを使って、画像の切り抜き方を説明していきます。
自動切り抜きツールで瞬時に対象を切り抜く
まず最初に、画像が「背景」になっている場合はダブルクリックして「レイヤー」に変更してください。
↑こんな感じで「レイヤー」の表記に切り替わっていればOKです。
次に、左のツールバー内にある「自動選択ツール」をクリックします。
自動選択ツールをクリックすると、上部に「許容値」という部分が表示されますが、数値が大きいほど切り取られる範囲も大きくなります。
⇒ 対象に沿ってピッタリ切り抜きたい場合は、許容量は大きくした方が良いです。
逆に余裕を持たせたいという場合は、許容量を小さくすれば良いといった感じです。
自動選択ツールで画像のピンク色の部分をどこでもいいのでクリックします。
そうすると、ピンク色の部分が自動で読み込まれて選択した状態になります。
ちなみに、自動選択ツールで1回で読み込まない場合は「Shift」を押しながらクリックすることで選択範囲を追加できるので覚えておくと便利です!
上部メニューバー内にある「編集」をクリックして、その中の項目にある「消去」を選択します。
…そうすると、この通り!
猫の部分だけは綺麗に残ったまま、後は全て消去されましたね。
■別の切り抜き方も紹介
自動選択ツールでピンク色の部分をクリックするところまでは全く同じですが、その次からの動作が異なる方法を紹介します。
自動選択ツールで範囲を選択したら、上部メニューバー内にある「選択範囲」をクリックし、表示項目の中にある「選択範囲を反転」をクリックします。
そうすると、先ほどまでは背景のピンク色の部分が選択されていましたが、今度は猫の部分が選択されるよう切り替わります。
後は、「コピー&ペースト」をすると猫だけの画像が新規レイヤーとして作成することが可能です。
▸コピー:「Ctrl」+「C」
▸ペースト(貼り付け):「Ctrl」+「V」
※Macは「Ctrl」⇒「commandキー」となります。
複雑な画像を切り抜く際に使用するツール
次に、切り抜くのに少し難しいというかテクニックがいるような画像にお勧めのツールを紹介していきます。
ちなみに、ここでいう複雑な画像というのは以下のような感じです。
この画像のように、背景が一色だけではなく複数の色が入り混じるような場合ですね。
特に、切り抜く対象のモノと複雑な風景が重なるような写真では先ほど使った「自動選択ツール」では上手く選択できないことが多いです。
なので、このような場合は以下のツールがお勧めです。
▸「被写体を選択」を使って対象を指定する
▸「ペンツール」を使う
▸「なげなわツール」と「境界線調整ブラシ(ツール)」の合わせ技
といった感じで、色々な方法がありますので上から順に説明していきますね!
ちなみに、以下で紹介していく方法は画像を「背景」⇒「レイヤー」に変更している前提で説明していきます。
※「背景」をダブルクリックすることで、レイヤーに変更できます。
被写体を選択する機能を使って画像を切り抜く!
上部メニューバー内にある「選択範囲」をクリックし、表示された項目の「被写体を選択」をクリックします。
なんと、、、
たったこれだけで猫の周りを完璧に選択することが出来ました。
⇒ この機能は、背景が少し複雑な場合でも結構な精度で対象を選択してくれますのでお勧めです。
次に、上部メニューバー内にある「選択範囲」をクリックし、表示された項目の「選択範囲を反転」をクリックします。
そうすると、猫以外の部分に範囲指定が切り替わりますので、その状態で上部メニューバー内にある「編集」をクリックし、表示された項目の「消去」を選択します。
そうすると、↑こんな感じで綺麗に猫の部分だけを切り抜くことが出来ましたね!
拡大しないと分かりにくいですが、毛のフサフサ感もしっかり残っています!
■別の方法でも切り抜くことが出来ます!
これは「自動選択ツール」でも紹介した方法ですが、「被写体を選択」して猫の部分が選択されている状態で「コピー&ペースト」を行うことでも切り抜き作業が可能です。
⇒ どちらの方法でも切り抜くことが可能なので、自分のやりやすい方を取り入れると良いですね!
ペンツールを使って画像を切り抜く
まず最初に、左ツールバー内にある「ペンツール」を選択します。
その後、上部に表示されるメニューバーを「パス」に設定します。
猫(切り抜き対象)に沿って点(アンカーポイント)を打っていきます。
⇒ ズームツールで拡大して行うと作業がしやすいです。
※アンカーポイントを打つ場所を間違えた場合は「Ctrl」+「Z」で戻ることが出来ます。(押した分だけ戻ります)
※Macの場合は「command」+「Z」となります。
対象をグルッと囲い終わったら、
①「パス」の部分をクリック
↓
②点線の丸のアイコンをクリック
そうすると、画像のようにアンカーポイントで引いた線の内側が選択されます。
ここからは今までと同じです。
■背景を消す場合
上部メニューバー内にある「選択範囲」⇒「選択範囲を反転」
↓
上部メニューバー内にある「編集」⇒「消去」で完了!
■コピー&ペーストで切り抜く場合
アンカーポイントが対象の選択線に変わったときに、「Ctrl」+「C」⇒「Ctrl」+「V」で完了!
※Macの場合は「Ctrl」が「commandキー」になります。
なげなわツールと境界線調整ブラシ(ツール)を使った切り抜き方法
①最初に、左のツールバー内にある「なげなわツール」を選択します。
※多角形選択ツールなどでも大丈夫です。(使いやすいツールで!)
②「なげなわツール」を選択したら、切り抜きたい対象の周りを“大まかに”グルッと囲います。
③対象を囲い終わったら、上部に表示されている「選択とマスク…」をクリックします。
左ツールバー内にある「境界線調整ブラシツール」を選択します。
このブラシを使って、対象の境界線に出来ている余分な部分を取り除いていきます。
画像で赤くなっている部分が削除される部分なので、ブラシ境界線の余分な部分を赤く染めていく感じです。
ちなみに、「不当明度」の数値を上げると可視化しやすくなるので見にくい場合は数値を高めにしてみましょう!
↑こんな感じで、境界線を埋め尽くしたら「OK」をクリックします。
※対象と境界線の色が近い場合は、上手く機能しない場合があります。
そうすると、画像のように猫の部分だけが選択されます。
後は、上記で説明してきた操作で画像を切り抜けばOKです!
■背景を消す場合
上部メニューバー内にある「選択範囲」⇒「選択範囲を反転」
↓
上部メニューバー内にある「編集」⇒「消去」で完了!
■コピー&ペーストで切り抜く場合
アンカーポイントが対象の選択線に変わったときに、「Ctrl」+「C」⇒「Ctrl」+「V」で完了!
※Macの場合は「Ctrl」が「commandキー」になります。
どんな画像でも120%切り抜きできるツール
もし上記の方法でも上手く切り抜きが出来ない場合は、「多角形選択ツール」+「ズーム機能」という方法があります。
⇒ どんな複雑な画像でも120%切り抜きが出来る方法です。
…ただ、この方法は手間(時間)がかかるというか、画像によってはかなり面倒な作業となります。
上記で説明してきた切り抜き方法というのは、「Photoshop」の機能を使って効率かつ短時間で行うための手段です。
⇒ なので、画像によっては出来ないこともあります。
どうしても「Photoshop」の便利機能を使っても切り抜きが出来ない場合の対処法としてコチラの方法も知っておくべきです。
左のツールバー内にある「多角形選択ツール」をクリックします。
コチラのツールは完全に「手動」となります。(細かい操作もお手のモノ)
対象の境界線に沿って手動でポチポチとクリックを押しながら線を引いていきます。
アンカーポイントは付きませんが、クリックを押した場所で線を固定することが出来ます。
※間違った場所をクリックした場合は「delete」を押した分だけ前に戻ることが可能です。
ペンツールにも似ていますが、こちらの方がさらに自由性が高いので特に複雑で細かな画像を切り抜く際に使える機能です。
⇒ ズーム機能で拡大することで、かなり細かな作業が可能となります!
最後に…
以上、「Photoshop(フォトショップ)」を使って画像を切り抜く方法を紹介してきました。
画像を切り抜くといっても、その方法はいくつも存在するということがお分かりいただけたかと思います。
なので、多くの機能を使いこなせるようになることと、後は実際に画像を切り抜く経験を積むのが大切です。
そうすることで、どんな複雑な画像でも問題なく切り抜きが行えるようになるはずです!
■「Photoshop」の機能を複数紹介しています!
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